IKIJIの流儀2 - 花衣
お花見の季節になりましたね。お花見と言えば、お酒や卵焼き蒲鉾の代用品を持っての「長屋の花見」が思い出されますが、この噺実は上方からの噺で代用品は飲食物だけでなく、身に着けるモノも代用品だったのです。お洒落に行こうと、紙の羽織に山高帽はザルに同じく黒い紙を貼って、裸の体には墨で洋服を描いたりして花見に行ったのです。江戸の噺ではこの辺を端折ってしまい、ちょっと簡略化されておりますが、上方では「貧乏花見」という噺で有名です。
江戸では、花見は当然花を見に行くのですが、それ以上に春の訪れの天下の社交場でもありました。若い女性たちは「花衣(はなごろも)」といって、年一度の花見の為に着物を新調したり借りたりし、あるいはお揃いの着物で、花見の席で歌ったり踊ったりして楽しんだようです。勿論、男たちは花見以上にその艶やかな女性たちのパフォーマンスを見に花見に向かうのです。
そして春の先駆けのお花見はお見合いの場でもあったのです。めでたい花見の席で顔合わせをして、その後に山菜採り、潮干狩り、夏の野山に行くなどして縁を深め、秋の頃に祝言というおめでたいコースの入口でもあったようです。木々が寒い冬から、ふっくらした蕾が出来、見事に花が咲き青々とした新芽が吹き、そして最後に立派な実がなるという自然界の流れに沿ったのでしょう。
では、現代の男の花衣とは?これは女性を引き立たせるモノで、尚且つ自然環境に適しているとなれば、今季のIKIJIのフード付きフィールドコートが一番ですね。薄くとも綿の細番手で高密度織物のタイプライタークロスという素材で、まだちょっと肌寒い時や急な春雨にも対応する優れものです。特に現代で外から家に花粉を持ち込まない事が必須条件ですが、このタイプライタークロスは表面がサラッとして花粉が付着しにくいのです。ウインドーブレーカーのブルゾンも同素材でご用意しておりますので、そちらも宜しいと思います。