IKIJIの流儀28-黒がカミング
IKIJIは今まで「鉄黒」や「墨黒」などは作っておりましたが、純粋な「黒」という色はあまり扱っておりませんでした。これは江戸の庶民たちは黒という言葉から受ける印象をあまり好んでいなかったというのが、取り扱っていない理由の一つです。大好きな大相撲のご贔屓の力士が負けて「黒星」や、ホシは「クロ」だのと犯罪者の決めつけや、黒子や黒幕などあまり「黒」は表の日の当たる世界の話ではありませんでした。
しかし古来より日本では、 美女の条件は「七難隠す」と言われる色白に「黒髪は女の命」と言われて来て、豊かで長く艶のある黒髪と色白は美女の必須条件でした。ただ黒髪は女だけでなく、男にとっても末永く得たいモノでした。白髪や禿は老いの象徴で「烏の濡れ羽色」「緑の黒髪」などとただの黒よりも瑞々しく艶のある黒髪は男女とも憧れでもありました。
IKIJIは白のシャツやTシャツのイメージが強いですが、今年の夏物に、和紙のTシャツで黒を採用したらクロカミと称され、これがなんと日の当たるところで映える黒となり好評でした。そして満を持して、この秋冬物にウール100%のTシャツを発売する中で、一押しの色が「日本の気品ある黒」です。椿油をすり込んだようなメリノウールの艶やかな黒です。あえて半袖のTシャツにウール100%を使用しました。
消臭防臭から吸湿が高いのに速乾性も高い、夏涼しく冬暖かい一年中快適なメリノウールを採用。宇宙飛行士も長期間十分に着がえたり、あるいは洗濯出来ない状態での下着はウールのTシャツを着用されております。それだけ耐久性や肌への優しさが立証されています。勿論、黒以外に、紺、山吹茶、生成の四色展開です。この秋冬物の最初の一押しは、ウールのTシャツです。是非とも店頭でお手に取って確認してみてください。