IKIJIの流儀特別編2-大西基之
リレー方式のインタビュー第二弾は、メンズファッション業界で長年活躍されてきた大西基之さんです。
IKIJIプロジェクトマネージャー近江(以下近):今日はお時間をいただきありがとうございます。まずは、自己紹介をお願いします。
大西さん(以下大):僕は、メンズファッション研究所の第1期生。卒業後は、ダーバンのデザイナーとしてテキスタイルからデザインをするという、当時では珍しい仕事の仕方をしていたね。その後友人と一緒に企画会社を始め、ものすごくウケた。テキスタイル専門のマンションメーカーとして独立したんだけど、バブルが弾けて突き落とされるわけ。そこからパッと端折って現在に至ると(笑)。
近:イラストレーターの穂積和夫さんに大西さんをご紹介いただいたのですが、穂積さんとのご関係は?
大:メンズファッション研究所の広告の絵が穂積先生のイラストで、穂積先生には1年間クロッキーの授業で教えてもらって、それ以来のお付き合いなんだよね。 ※クロッキー: 10分程度の短時間で素早く描画すること
近:今回のインタビューにあたり、著書である「メンズ・ウェア素材の基礎知識」を拝読しましたが、この本を書いた経緯は?
大:オンワードのイージーオーダーの生地の構成を手伝っていた際、社員教育も担当していて。その資料を元に出版のお声掛けいただいたのが、きっかけ。
近:私は、カットソーメーカー所属で、布帛の事に詳しくないので、織り方の構成等勉強になりました。
大:それはお役に立てて良かった。でも読んだだけでは分からない人が多いから、今でも頼まれて勉強会をしているんだよ。
近:パーカーの着心地はいかがですか?
大:いいよ!素材がまずはいいよね。軽くて綿っぽくなくて。こういう素材、初めて見た。あと着やすいし。
近:綿とリヨセルが入っている生地です。
大:リヨセルって再生繊維でしょ?ユニークさがあっていいよね。
近:フードが肩に乗ると重さを感じず、走ったり、ジャンプしたりしてもフードが崩れないのが特徴です。ジャケットの下に着てもフードが崩れないように設計しています。
大:すごいね。プルオーバータイプとジップタイプで脇のデザインが違うんだね。
近:プルオーバータイプはジップタイプよりも着脱しやすいように脇にリブを入れてます。
大:へー。なるほどね。こだわりを感じるね。
近:今日のお礼にこのパーカーをプレゼントします。
大:いいの?ありがとう。
近:IKIJIの読者に向けて、ファッションを楽しむ極意を教えてください。
大:一番難しいね。考えちゃうなぁ。他人を意識するわけでしょ?気持ちをシャキッとするというか緊張感がでるじゃん?それが、いいのかな。健康の為にいいよね。会う人に合わせてコーディネートを考えることとか。男性に会う時の方が大変だね。特におしゃれな人に会う時は気を遣うよね。でもその緊張感がいいし、それが健康にもいい。同性にかっこいいと言われたいよね。
近:このインタビュー、リレー方式で行っているのですが、次の方をご紹介いただけますか?
大:次は、日本の靴業界の重鎮である長嶋正樹さんがいいと思うよ。
近:今日は貴重なお話をありがとうございました。
カメラがお好きで年代別に沢山集めていらっしゃる大西さん。出版された本の写真もご自分で撮ったそう。本に掲載できるほどの腕前とはさすが!
インタビューの間中、「この企画面白い・楽しい、いいよね」とずっとおっしゃっていました。嬉しい限りです。
左から血脇さん、近江、大西さん