IKIJIの流儀特別編1-穂積和夫
IKIJIのアドバイザー血脇さんに、メンズファッション界の重鎮で、有名なアイビーボーイの作者であるイラストレーターの穂積和夫さんをご紹介いただきました。
写真を撮る時の穂積さん。日頃からしぐさを研究されているからこそのポーズ。血脇さんから「Japanese Dandy」のカメラマンがビックリしたとのエピソードも教えていただきました。かっこいい!
IKIJIプロジェクトマネージャー近江(以下近):今日はお時間いただきありがとうございます。穂積さんの「着るか着られるか」を拝読したのですが、私が一番印象に残った点は、欧米に比べ日本には洋服の教育がないことです。
穂積さん(以下穂):洋服に関して日本は、教育を重要に考えていないことはあるよね。
近:この本が出版された50年前と今も進歩がないですよね。次に、基本が大切と改めて感じました。今も基本に戻ってボタンダウンを修正しています。その上でIKIJIらしさを出すのが重要だと思っています。基本がないと原点に戻れないですし、次に進めないので、この本に学ぶことが多かったです。
穂:ありがとうございます。
近:IKIJIは、「粋」がコンセプトなのですが、「粋」について教えてください。
穂:僕は、あんまり「粋」に生きようとは思ってないんだよね。「粋」は下町のイメージでしょ?明治以降の山の手のお父さんという自分のスタイルを守っていきたいね。男のおしゃれは、しぐさが大切。椅子に座るときは、片手でスーツの釦を外す、立つ時は、釦を付けるこういうしぐさが大切だよね。
近:外国映画でよく見るシーンですが、日本人はこういうことを教えられてこないですよね。私も映画を見て、なぜ?と思った経験があるのですが。
穂:そう思うことが、非常に大切。そこがおしゃれの第一歩。
日々どうやったらかっこよく見えるかを研究していらっしゃるのが、素晴らしいですね。
近:本の中で、まずは楽しむこと、おしゃれと思った人のまねをすることが大切と書いてありましたが、IKIJIの読者に向けておしゃれを楽しむ上で、今も気を付けていることを教えてください。
穂:あれこれコーディネートを考えるのは、歳をとると面倒くさいんだよね。だからワンコーディネートを決めて、ネクタイなどを変える方法で、おしゃれを90歳になる今でも楽しんでいるよ。今日着ているパンツは、山梨の八ヶ岳原村農協で買ったんだよ。パンツは、ある程度の太さがないとね。革ジャンは、たまたま出かけた横浜で思わず買っちゃった。「この歳でこれを着るか、なるほど!」と言わせたい!と思っているんだよね。
いつもおしゃれに気を使っている穂積さんだからこその衝動買い。いくつになってもおしゃれ心を持っていたいですね。
近:ぜひおススメのジャケットやパーカーを試着いただきたいのですが。
穂:ジャケットは軽くて体にフィットしていて非常に着やすく、このパーカーも着やすいね。
近:今回のお礼にジャケットをプレゼントさせていただきます。
穂:ありがとう。最近ジャケットを着る機会がないな。着ていくところを作ろうかな。その時はネクタイを締めよう!
ジャケットは、何度も試着してサイズをチェックしていらっしゃいました。こういうところがいつもおしゃれで、若くいられる理由なのでしょう。日本のファッションの一時代を築かれた方に褒めていただくと、本当に嬉しく自信につながりました。
近:最後に、リレー方式でインタビューを行いたいと思っているのですが、どなたかご紹介していただけますでしょうか?
穂:「メンズ・ウエア素材の基礎知識」を書かれている大西基之さんがいいのでは。
近:今日は貴重なお話をありがとうございました。
左から順に元アメリカントラッドクラブ会長の関さん(穂積さんをお連れいただきました。)、血脇さん、穂積さん、近江