IKIJIの流儀19-風を羽織る

 やっと春が訪れて来ましたね。水仙や菜の花が咲き、梅の花や沈丁花の甘い香りが春風に運ばれて来ると、「ああ、風薫る春だなぁ。」と実感します。竜巻や突風は遠慮しますが、いくら強風でも南からの春一番は歓迎ですね。桜の開花宣言と同じく毎年いつかなぁ?と待ち遠しい日です。

 

 今年は、毎年のスギ花粉の飛来だけでなく、恐怖の新型コロナウィルスまで春風に運ばれているかもしれないので、思いっきり春の風を吸い込む気にはなれませんが、春の風は爽やかで一年で一番心地よい風ですね。日本の文化は風と共に育まれたと言っても過言ではありません。その表現を風流や風情、あるいは風合いという言葉で言い表すのはその証拠でしょうか、これも粋と同じ部類の心意気なのでしょう。

 

 西洋の衣服はボタンなどで留めて外気を体に入れない、その典型として風を防ぐ、ウィンドーブレーカー等がありますが、日本の着物などはボタンなどなく、腋の下が縫われてなくベンチレーションとして風をうまく通したりして心地よく着られる工夫があります。コートと言えば防寒や防風の最たるものですが、春先に着るスプリングコートは和製英語で日本独自のものです。当然風を防ぎますが、それよりも風を友達として楽しむものなのです。

 

 この春、最初にご紹介するのが、この春風と親しめるIKIJI のスプリングコートです。綿100%のニドムバイオ加工という、反物の段階で生地の表面を揉み、叩き、擦り合わせて風合いを出す。つまり風に吹かれて風化したようなナチュラルにソフトなタッチに仕上げた生地を使用し、コートとしてはVゾーンを深くして釦も極力少なくした2個釦で、風を適度に防ぎ適度に体に纏わせる、つまり風を羽織るが如くのコートなのです。色は爽やかな生成と薄縹色の2色展開です。これはきちんと着るよりも、颯爽と着て欲しい一点です。

 

 

 

 

  コットンコート
¥56,000