粋字のかわら版-床屋

 江戸っ子は縁起の悪い事が大嫌いで、言葉でも「忌み言葉」という縁起が悪く聞こえる言葉は、縁起が良く聞こえる言葉に換えてしまう。例えば日常の「髭を剃る」は江戸っ子が喋ると「しげをする」になり、博打などでの「かねをする」に通じることから、逆に博打で掛けが当たるに引用して、「髭をあたる」というようになりました。この表現は江戸独自のようです。

 

 

 今、床屋に行って「髭をあたってくれないか?」と言って通じる床屋がどれだけ在るのか?それが在りました、IKIJIストアそばの「日下部理容店」です。創業は関東大震災前ですから、約百年前です。大正、昭和、平成、令和と続く老舗中の老舗です。現在の店主は三代目の日下部善夫さん(77歳)です。後継者が居ないので、あと何年続くかと心配しておりますが、現在の店舗は戦後直ぐに建てられてから、そのまま維持しており、手動の椅子や手動のバリカンや今は見ることが難しい日本剃刀などがそのままです。

 

 

 床屋は髪を切るだけでなく、「顔剃り」という剃刀で顔の髭や産毛を剃るのがあります。これは男性だけでなく、昔は女性の多くが床屋に通い「顔剃り」をしておりました。美容院では剃刀を使えない事もあり、今でも「日下部理容店」では女性客が「顔剃り」に来店されます。髭をあたってくれる昔ながらの床屋は貴重ですので、直ぐにでも粋な床屋に行きな!

 


協力:日下部理容店  東京都墨田区緑1-4-7     TEL 03-3631-3543